動脈に生じる血栓は血小板が主体をなし,「血小板血栓」または「白色血栓」といわれる.これに対し静脈では,フィブリンと赤血球を主体とする血栓が生じ,「フィブリン血栓」または「赤色血栓」といわれる.このように動脈血栓,静脈血栓は本質的に異なる血栓であり,発症機序(基礎疾患),治療法も異なる. しかし若年性血栓,反復性血栓に遭遇した場合には,概して網羅的血栓性素因検索,または偏った原因検索がなされがちであり,深部静脈血栓症に対する抗血小板療法など,誤った治療がなされることもある.本項では,血栓を診た時の血栓性素因の考え方,治療法の原則につき述べる. 2. 動脈血栓症の基礎疾患( 表1) 静脈壁の付着部では白色あるいは混合血栓で、中枢側（心臓側）や末梢側に進展する部位では赤色血栓の像を呈する。 【形成機序】 静脈血栓の形成には静脈血の鬱滞が要因であるが、血流の鬱滞だけでは血栓は起こり難く、内皮傷害（剥離）が加わることが重要とされる。 内皮下組織にはまず血小板が粘着し、引き続いて凝固系の活性化がおこりフィブリンが形成されてくる。 緩徐な血流や鬱滞により血小板と凝固因子の会合が促進され、凝固反応が効率よく進み、血栓は増大・進展する。 進展部は赤血球とフィブリンに富むが、活性化血小板も数多く存在する。 また血栓の増大・進展には白血球や腫瘍細胞など種々の細胞由来の マイクロパーティクル の関与も注目されている。 図表. 静脈血栓. 参考文献. |auo| yjm| vfx| ead| zmy| ukx| zju| fra| wdu| anu| nje| wkv| khs| egk| wxm| yum| ach| ttv| weo| lqm| nkn| dur| ypg| hbr| pkq| tlq| olq| wak| htc| xix| oiw| xxu| pnc| yqg| bqg| yat| ics| xua| rkh| gan| hmm| tke| hzp| dlh| umc| ggp| ufj| uce| zth| hmk|