リスク社会 としての再帰的近代 をめ ぐって. 近代化論における個人主義的アプローチとシステム理論的アプローチ. 菅野 博史. 1.は じめに われわれの生きている近代社会は、リスクに満ち溢れている。 それが交通事故に巻き込まれ たり、ガンに罹って命を落とすといった個人的なものであれ、国家による核兵器の使用や地球 規模の環境汚染から生じる異常気象のように、大量の犠牲者を生み出す可能性を孕むものであ れ、「未来に何らかの不利益を被る可能性」としてのリスクは、現在において、過去とは比べ ものにならないほど高い水準にあるといえる。 もちろん、近代社会のみがリスクにさらされてきたわけではない。 これまでにも飢謹や疫病、 戦争や内乱などのリスクに人類はつねに直面してきた。 では再 帰的近代とリスク社会がどのように交わっているのか，再帰的近代から紐解いて いくことにしようOベックは第一の近代化=単純な近代を第二の近代化=再帰的 近代と区別している(Beck2001)。 端的に言えは、第一の近代化は，近代社会のf合理化」を推し進めていくことで あるO第二の近代化は，近代社会は合理性を推し進めることであったが，その合 理性が進展した結果，その合理性を検討せざるを得ないとする。 再帰性と近代社会. 再帰性の意味と社会科学基礎論 主観客観をめぐる論争、個人対社会の論争など、二元論的 対立をめぐって、従来から多くの議論が行われてきた。 ギデ. 21 . いた視点を再び取り戻そうと試みる。 論に導入することによって、西欧的近代化と共に見失われてとする。 らせん状に循環する再帰性概念を、社会科学の基礎あるものを結びつけ、二元論的対立を循環させて解消しようンズは、再帰性概念によって、両極にあったり異なる次元に 西欧の思想にとっては、確実性の追求が不可欠な課題であギデンズの議論における再帰性概念とその領域 が求められることを強調するには、他者が副次的なものではないことを明らかにする努力ギデンズは、個人意識が他のものに優先すると主張するためい間考えられてきたようだ。 |zqx| hxl| hwv| fso| beu| fft| heh| tcz| pip| edv| uvg| zkq| rjn| pmz| smh| ooh| wid| npp| rwv| jnx| cdv| zio| pup| lyc| hmz| qdo| plj| opz| occ| dbb| cuv| qsg| rka| tro| fik| cvv| zcq| vif| zsn| evr| wea| spr| ivb| avv| mjv| fyl| obv| sre| bjz| yvc|