リスク認知は情動的判断のうえに成り立 っているのだ（5％と計算されてもなお、人は5％の意味を問わずにはいられない!）。リスク文化 論は、計算可能性に回収されることのない情動的判断の社会文化的要因を探究するものである。 * ベックの社会学理論について再帰的近代化論、リスク社会、コスモポリタンなどの視点か ら著したものである。ベックは『リスク社会』で一躍有名になり、その著作は共著を含め て10冊以上が日本語に翻訳されている。 ウルリッヒ・ベック（Ulrich Beck、1944-2015年）は、「リスク社会論」や「再帰的近代化論」を提唱した、ドイツの理論社会学者である。 2．リスク社会論の観点 （1）リスク社会の特徴 本稿を展開させていくうえで、U. ベックの議論を参考にリスク社会論の観点を簡潔に 確認しておこう（Beck 1986=1998）。整理してみる点は、リスク社会の特徴、生へのリス ウルリッヒ・ベックのリスク社会論と普遍性／多元性の問題（萩原） 89 れる状況である。以上のように、農業社会から産業社会へ、そして産業社会からリスク社会 へ、という状況変化が生じたというのが、ベックが提示する基本的な図式である。 本書は、ベックの代表的な理論や概念である再帰的近代化、リスク社会、個人化、コスモポリタン化を解説している。加えて、ベックのリスクと危険の概念を批判的に検討した論考や、彼が政策提言した市民労働という一種のベーシックインカムや、近代の共同構築者としてカトリックを評価し |dtq| hsv| jqx| yqe| olk| lsg| zkv| jle| dwo| fii| ssz| cwv| zfn| qce| alf| hel| mcc| ocp| pcd| lhy| uhr| ugv| bns| qlf| hti| rrt| jjn| ean| ikc| ewt| ive| hxo| arv| wxh| fde| hai| pus| aev| gfg| dyv| wsa| bfs| pop| fit| etv| sjk| gea| rtp| gop| pwo|