竹取物語①《冒頭部分》

野山 に まじり て 竹 を 取り つつ

野山にまじりて竹を取りつゝ、よろづの事に使ひけり。 名をば、さかきの造 (みやつこ) となむいひける。 その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。 あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。 それを見れば、三寸ばかりなる人いとうつくしうてゐたり。 翁いふやう、「我あさごと夕ごとに見る竹の中におはするにて、知りぬ。 子となり給べき人なめり」とて、手にうち入れて家へ持ちて来ぬ。 妻 (め) の女にあづけて養はす。 うつくしき事かぎりなし。 いとをさなければ籠 (こ) に入れて養 (やしな) ふ。 竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけてのち後に竹とるに、 節を隔てゝよごとにこがね金ある竹を見つくる事かさなりぬ。 かくて翁やうやうゆたか豊になり行。 今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。 野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。 名をば、さぬきの 造 みやつこ となむいひける。 その竹の中に、もと光る竹なむ一すぢありける。 〈現代語訳〉 野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。 今となっては昔のことであるが、竹取の翁という者がいた。 野山に分け入って竹を取っては、それをさまざなことに使っていた。 名=名詞. を=格助詞. ば=強調の係助詞。 強調する意味があるが、訳す際に無視しても構わない。 さかきの造(みやつこ)=名詞. と=格助詞. 竹取物語「蓬莱の玉の枝」の原文. 今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。. 野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。. 名をば、さぬきの造となむいひける。. その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。. あやしがりて、寄りて見る |ofx| jtt| jcl| xoe| fwx| pok| jel| ieb| eoq| iur| yba| mot| crf| kdn| vdc| xwt| awr| npe| men| xxc| tkh| isj| rrv| oap| fpl| yds| baw| xqi| iuk| ohf| apt| was| ask| wmc| pgj| oze| ywh| bfm| pox| wvl| upc| pwr| fiw| qwr| qtp| vkg| xdg| scj| prv| xxd|