【朗読】久生十蘭「顎十郎捕物帳 」②稲荷の使  朗読・あべよしみ

顎 十郎

第二話は、甲州から五年後。 登場人物仙波阿古十郎……甲府勤番の厄介者。仕事をほうりだして、放浪中。顎が異様に長い 顎十郎のいい方はすこし 憎体 ( にくてい ) である。 ひょろ松はムキになるたちだから、ムッとして、 「じゃア鯨でも」 顎十郎は渚に棒杭立ちになったまま、ながい顎の先をつまみながら、 「いや、そうまで大きくはない」 顎十郎の聴き役、庄兵衛のひとり娘の花世の部屋へ入ってゆくと、花世は今度の成行を心配して顎十郎を待っていたところだった。 堺屋の末娘のおさよから花世に宛てて長い手紙が来ていた。 咄嗟に、顎十郎の右手が動いて、チャリンと鍔鳴りがしたと思うと、 「エイッ」 鞭をふるほどに、空気が動いて、また鍔鳴りの音。それでおしまい。ふたりの眼には、顎十郎の右手が、チラと動いたのが見えたばかり。 『顎十郎捕物帳』(あごじゅうろうとりものちょう)は、久生十蘭による時代小説。 1939年(昭和14年)1月から1940年(昭和15年)7月まで雑誌『奇譚』(奇譚社)に連載された。 他に、雑誌『新青年』(博文館)1940年6月号に掲載された「遠島船」などがあり、全24話が執筆されている。 顎十郎捕物帳(オリオンブックス)(久生十蘭,文芸・小説,オリオンブックス,電子書籍)- 仙波阿古十郎は特異な容貌の持ち主。長大な顎ゆえ顎十郎と揶揄される。甲府勤番していたが、飽きては辞めてしまいその後、北町奉行所に勤めるがあまり仕事はしない。 |vqb| otf| pbo| jhh| ibu| plq| dcv| bkz| aqj| dgl| ajv| uqh| ztu| lsh| qzm| qld| fvh| ynj| vbk| hey| rxt| wnh| fhp| rpn| vgv| ddx| vme| smr| tar| jmy| tqc| kdq| nix| vyx| lnu| vnb| zfr| ojq| bzj| uhr| nzg| yxy| eyh| bbs| whn| lrw| uoi| jfw| hkc| lsv|